2022/2/9
事業を始めるときには、金融機関から融資を受けるケースが多いですが、その際に「据置期間」という言葉を耳にしたという方も大勢いることでしょう。
このコラムでは、融資の据置期間とは何かについて、詳しく解説します。
据置期間のメリット・デメリットや、期間を設定するポイントなどについても深掘りしているので、近い将来開業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
融資の据置期間とは、その字の通りに借りたお金を返済することを据置してもらう期間のことですが、正確には元金返済を猶予された期間を指しています。
つまり、銀行から開業資金などの融資を受けた際に、しばらくの間利息だけを返済する期間を設けてもらうのが、据置期間の目的となります。
据置期間を設定したもらった場合に注意しなくてはいけないのは、利息だけを返済する期間も返済期間の中に含まれるということです。
たとえば、返済期間が5年だとして1年間の据置期間を設けてもらえた場合は、最初の1年間は利息だけを支払い、あとの4年で元金を全て返済することになります。
融資で据置期間を設定するメリットとデメリットを紹介します。
融資で据置期間を設定することにより得られる主なメリットは、以下の2点です。
融資の据置期間は創業資金だけに限ったことではありませんが、創業当初はいろいろなことにお金が掛かる時期でもあります。
また、経営が波に乗るまでに時間を要する場合も多く、据置期間を設定してもらうことにより資金繰りが楽になるという大きなメリットを得ることができるのです。
もちろん、創業間もなく予想以上に売上があった場合は、その分を余剰してもいいですし、予定を変更して元金返済を早めに開始しても構いません。
据置期間は無理に利用する必要はありませんが、最初から順調に売上があがる絶対の自信がなければ、積極的にこのありがたい制度を活用することをおすすめします。
据置期間を設ける最大のメリットは、お金の心配をしないで事業に集中できることです。
事業開始時に返済負担が少なければ、前記したように資金繰りも楽になり気持ちに大きな余裕を持つことができます。
資金調達や資金繰りなどお金に関することも、経営者の大事な仕事の1つですが、事業を成功させるためには何よりも本業である営業活動などに集中しなくてはいけません。
どんなに潤沢な資金を用意して事業をスタートできたとしても、利益が得られなければいずれ破綻を迎えてしまいます。
開業してすぐに資金が苦しくなると、資金繰りに忙しくなって事業以外のことに労力を費やす時間が長くなります。
創業時こそ、事業を伸ばすことだけに集中できる環境を整えることが大事なのです。
以下に、融資で据置期間を設定した場合のデメリットを2つ紹介します。
前記したように、据置期間も返済期間に含まれることから、どうしても据置期間を終えた後の支払いの負担が大きくなってしまいます。
据置期間を長くすることで、資金繰りを楽にして事業に集中できる期間を長くとることができますが、思うような結果を出せなければ後々かなり厳しい状況に追い込まれてしまいます。
また、据置期間を長くするほどトータルで支払う利息の額も大きくなることも、デメリットとして挙げられます。
そのため、据置期間は単に長く設ければいいというわけではないことは理解しておかなければいけません。
据置期間に関しては、借入する側の思い通りにならないことがデメリットとして挙げられます。
1年間の据置期間を希望しても、それよりも短くなったり、据置期間を設定してもらえなかったりするのもよくあることです。
据置期間は希望しても思い通りにならないのもよくあることですが、実際にどのように期間を決めていいか分からないという方も少なくないようです。
適当に据置期間を決めてしまうと、再び融資を申し込まなければいけなくなるなどいろいろな不都合が出てくる可能性が高くなるので、必ず融資を受ける前には事業計画を作成して現実的なシミュレーションを行いましょう。
いずれにしても融資を受けるためには、金融機関から事業計画書の提出を求められるケースがほとんどです。
ポイントは、無理のない計画を立てることです。
開業資金の融資を受けるなら、いつから本格的な売上を見込めるかを丁寧に分析して、未知数は除外した方が無難です。
くれぐれも何となく計画書に数字を入れていくのではなく、根拠とデータに基づいて作成することが重要となります。
融資の据置期間とは、借入した元本の返済が猶予される期間を指し、定められた期間利息だけを支払えば良い期間のことです。
据置期間を設定することにより、当面の間資金繰りの心配をしないで事業に集中できるというメリットを得られますが、据置期間が終わった後の支払いの負担が大きくなるというデメリットもあります。
そのことからも、据置期間は長ければいいというわけではなく、自社に適した期間を設定することが大切です。
据置期間の設定でお悩みの方は、ぜひNo.1税理士法人にご相談ください。