2021/12/14
企業時には多くの資金が必要です。
ですが、まだ事業が立ち上がっていない状態では、なかなか金融機関が融資してくれることはありません。
このようなときに頼りになるのが、日本政策金融公庫が実施している「創業融資」です。
ですが、創業融資を申請する段階で、他に借金があった場合には、融資は受けられるのでしょうか。
もし創業融資が受けられない場合の対処法についても、まとめます。
創業融資は、企業の際自己資金以外に資金を調達することを意味します。
創業融資を実施しているのは、日本政策金融公庫や自治体、民間金融機関など、さまざまですが、一般的には日本政策金融公庫の融資制度を活用したい人が多いでしょう。
日本政策金融公庫は、事業に取り組む人たちを支援するための政府系金融機関です。
これから起業しようとする人へ、資金面でのサポートも実施しています。
実績も資産も少ない起業時に、担保や保証人不要で融資を実行してもらえる「新創業融資制度」があります。
創業時に3,000万円までの融資が受けられ、さらに他の金融機関よりも低金利で融資してもらえます。
好条件で融資が受けられる一方、審査が厳しいという一面もあります。
個人事業主や小規模事業主として起業する際、すでに個人的な借金がある方もいるでしょう。
このような借金ですが、やはり融資の審査においては影響してきます。
借金の内容が住宅ローンや自動車ローンなど、日常生活で一般的に受ける融資については大きな影響はないといわれています。
ですがローンの返済が滞っていたり、消費者金融などからの借り入れがあったりするといった場合には、創業融資が受けられない可能性が高まります。
融資の審査に当たっては、融資を受けた人に返済能力があるかが問われます。
これは、一般的な金融機関での融資も同じです。
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり財務省が所管する会社です。
つまり日本政策金融公庫は税金で運用されている金融機関となるため、確実に融資した資金が回収できるかどうかが審査されるのです。
民間経営の金融機関と比べ、融資に際する審査は厳しいともいわれています。
そのため、返済能力がないと判断されると創業融資は受けられません。
住宅ローンや自動車ローン以外に、多額の借金がある人や、ローン返済が滞っている場合は返済能力がないと判断され、融資が受けられないケースが多くなります。
一方で、借金はあっても日本政策金融公庫の融資が受けられるケースもあります。
例えば、十分に借金が返済できるだけの自己資金がある場合、借金があったとしても返済能力があると認められるため融資が受けられる場合があります。
ただこのようなケースでは、先に今ある借金を完済してから融資を申し込んだ方がスムーズです。
自己資金が乏しく、借金を完納する資金がない状態でも、借金があることを隠しておけば良いのではと思うかもしれません。
ですが、このような「だます」行為は絶対してはなりません。
日本政策金融公庫の融資の申込書には、株式会社CICに照会し、個人信用情報を取得することが記載されています。
このCICというのは、個人信用情報機関の1つで、照会することで借金の履歴や返済状況などが分かります。
借金があることを隠したとしても、個人信用情報機関に照会すれば、それは一目瞭然で判明するのです。
「借金があるのに、借金がない」と申告した場合、その申告は虚偽であることが分かります。
虚偽を申告する人を信用して、多額の資金を融資してくれる金融機関はありません。
特に借金があるわけではないのに、融資が受けられない場合もあります。
ここからは、借金以外の理由で、新創業融資制度での融資が受けられない理由をまとめます。
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、税金が投入されている会社であることは説明しました。
そのため、税金の納付状況が融資決定を左右するポイントにもなります。
税金を滞納していると、税務署は先取特権により手持ちの資金から税金の支払いを求め、差し押さえする権利を有しています。
つまり、融資を決定しても、事業資金として使われる前に税務署が差し押さえて税金の納付に当てられてしまう可能性が高いのです。
税金は、所得税や住民税だけではありません。
健康保険や国民年金なども、納めるべき税金です。
これらの滞納がある場合も、融資は受けられません。
融資申し込み時には「開業計画書」や「事業計画書」を作成し、添付します。
借りたお金を使い、どのように事業を進め、利益を得ようとしているのかをまとめた計画書です。
この事業計画の詰めが甘かったり、計画自体に不備があったりすると審査が通りません。
日本政策金融公庫の新創業融資制度へのチャレンジは1度きりなので、十分に精査した事業計画書の作成が必要です。
起業にあたり、十分な自己資金がない場合に活用する起業融資ですが、自己資金が全くない場合や少なすぎる場合は融資が受けられません。
新創業融資制度には、自己資金要件があります。
規定以上の自己資金がないと、融資は受けられないのです。
日本政策金融公庫の起業融資は、受けられれば低金利・無担保・無保証で借りられる制度ですが、審査は厳しいとされます。
借金がある状態では、融資は難しいでしょう。
借金があるけれど起業を考えている方は、当社にご相談ください。