2021/10/22
「起業を考えているけど自己資金がない」「このまま起業しても大丈夫なのか」など、事業設立する前は不安でいっぱいです。
中でも一番の悩みが「資金繰り」ではないでしょうか。
やりたいことがあっても資金調達ができなければ、せっかくのビジネス計画も実現できません。
そこで今回は、自己資金なしでも起業できるのか、資金ゼロからのビジネス計画の注意点などについて詳しく解説します。
一般的な考えとして、起業するには自己資金が必要です。
ただ起業家の中には、自己資金なしの状態で開業する人がいるのも事実。
実際、法人化していない個人事業主でも、さまざまな融資を活用して自己資金ゼロの状態で従業員を何十人と抱えて事業拡大していることもあります。
起業するには百万円単位の資金を必要とするケースが多いため、自己資金を貯めるまで何年も時間がかかります。
少しでも早くビジネス計画を実現化するためにも、今から受けられる融資制度などを知っておきましょう。
新しく事業を取り組む人や事業再生など、民間金融機関では不十分な取り組みをカバーする役割をもつのが「日本政策金融公庫(日本公庫)」。
日本公庫では、起業家として実績のない個人が、自己資金なしでも融資制度の申し出ができます。
自己資金なしでも受けられる日本公庫の制度が、次の3つです。
・新創業融資制度
・中小企業経営力強化資金
・挑戦支援資本強化特例制度
自己資金なしでも申込み可能ですが、各種条件があるので、利用する際はどの制度が適しているのか確認しましょう。
各都道府県にある信用保証協会は、個人事業主や中小企業などが金融機関から融資を受ける際に連帯保証人を引き受けてくれます。
金融機関の融資を受けるには、審査に通過しなくてはけません。
個人事業主などは法人と違って信用度が低いのですが、信用保証協会が保証するため通常よりも融資を受けやすくなります。
また、起業実績がまったくない人の融資制度もあるので、自己資金なしで困っている時の強い味方になってくれるでしょう。
自己資金なしの状態で銀行や信用金庫などの金融機関へ融資相談しても、相手にしてもらえない可能性は高いです。
ただし、しっかりとしたビジネス計画や過去に金融機関と取引をした経験があると、融資できる可能性もあるでしょう。
金融機関は信用度を第一に考えているので、起業に向けた熱意と実効性の高さを証明できるようにするのがポイントです。
自己資金は自分自身の稼ぎで準備する他に、家族や親戚から贈与してもらう形でも問題ありません。
身内から贈与してもらう時は、どんなに親しい間柄であっても「贈与契約書」を作成する必要があります。
贈与契約書がなければ、起業時に自己資金と認められません。
「家族が夢を応援するためにお金を無償で渡してきた」や、「少額ですぐ返せるから契約書は結ばない」などの理由は通用しないのです。
自己資金は現金以外にも、住宅や土地などの不動産、パソコンや車といった財産も認められる可能性があります。
現物物資の申し入れする際は、貸借対照表に記載できる資産でなければいけません。
価値のない資産は現物出資と認められないため、身の回りで自己資金になりそうなものを探してみましょう。
各融資制度を利用することで自己資金なしで起業も可能ですが、いくつか注意点もあります。
失敗しないためにも注意ポイントをチェックしておきましょう。
「自己資金なしでも起業できる」とお伝えしてきましたが、もちろん少額でも資金を準備した方がいいです。
日本公庫はもちろん金融機関でも、自己資金なしより50万円でも準備した人の方が信用度が高まります。
しっかりとしたビジネス計画があっても自己資金がない時は、副業から始めて見るのもポイントです。
副業で自己資金をある程度貯めてから各機関へ融資の申し入れすることで、審査もスムーズになるでしょう。
自己資金なしでも、さまざまな融資制度を活用することで起業はできますが、融資額は予想額の半分に満たないケースも多いです。
例えば、新創業融資は自己資金の約2倍までが相場なので、自己資金がゼロの場合、融資額を頼りに開業することは難しいでしょう。
また、各種の融資を受けて開業資金を準備できても、いざ起業スタートしてみると「思ったより需要が低く、採算が取れない」という失敗談もあります。
事業開業は、オフィスや店舗内の改装、設備導入費など、まとまった初期費用が必要です。
せっかく融資を受けて起業しても、利益率が低くて資金繰りができなければ意味がありません。
自己資金なしで起業するには、各機関の融資制度を把握し、現状を説明して申し入れしなくてはいけません。
融資制度によって条件が違うため、場合によって利用できない可能性もあるでしょう。
自己資金なしで起業を考えている人やどこへ相談していいかわからない人は、当社に一度ご相談ください。